第3回 見沼塾からのレポート
[12月9日(土)13:30〜15:00]2000
〜見沼田圃の生きものを知ろう〜
第3回見沼塾は、浦和学院高等学校(旧浦和市代山)の敷地内にあるシラサギ記念自然史博物館で開催されました。初冬の穏やかな日和なので、見沼田圃を散策がてら、大勢の方が見えるのではないかと期待しましたが、PR不足のためか、期待が外れて残念でした。
それにもかかわらず、講師を引き受けていただいた巣瀬司館長(農学博士)さんは、親切に、熱心に、館内の展示物やスライドを使って説明してくださいました。
見沼田圃の歴史や変貌、そして、生きものの姿がよくわかり、参加してよかったという参加者の声はお伝えできても、展示物やスライドに即したお話の内容を要約するのは難しいので、博物館の機関紙「イグレッタ」に掲載された館長さんの短文を二つだけ紹介して、内容の報告に代えさせていただきます。
◆歴史の記録: 「見沼たんぼ」は17世紀から大きく変貌し、低湿地から「見沼溜井」という沼になりました。そして、18世紀に干拓により、見沼は「見沼たんぼ」になりました。さらに、20世紀中頃から、見沼たんぼは急に畑地や休耕田に変わりました。
1986年頃の風景は、その歴史を残していました。そして今、見沼たんぼは驚くほど急速に変化しつつあります。動植物の観察記録や写真、絵画として、この変化を記録として残すことは、将来、「歴史の記録」になるのではないでしょうか。
◆見沼の変貌: 見沼たんぼの良さは、休耕田にありました。春、焼き払った後に、ツボスミレやムラサキケマンが一面に咲き、セリが生えた休耕田は魅力的な場所でした。アカガネオサムシという湿地に生息する昆虫も、そうした休耕地で見られました。
最近の見沼たんぼは、湿地はほとんどありません。予算不足のため実現できない県の「ウエットランド」予定地も、その1/3が地権者の意向で溝が掘られ湿地でなくなりました。
適度に人の手の入った、多様な自然を残す手立てはないのでしょうか。
(見沼たんぼくらぶ理事・運営委員 白井法)
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