見沼塾からのレポート その5

第33回〜第36回、第39回〜第42回

 

第42回見沼塾からのレポート

[8月5日(土)]2006

〜楮(こうぞ)から和紙をつくる〜


[ムラは?
慎重に紙漉きを行います]

 [板に貼って乾かし、
完成を待ちます]

 楮から和紙を作る工程の講義の後、園内の古民家を紙漉き小屋に見立て製作を行いました。
 楮の繊維を水にさらし、繊維を木槌でたたき、水に溶けやすくします。紙漉き水槽に繊維とトロロアオイを混ぜ、よく攪拌した後、紙漉きにとりかかりました。1人が3枚ずつ製作しましたが、紙の厚さを均等にムラなく仕上げることに難しさを感じていました。
 紙乾しは庭先に板を並べ、和紙を貼りつけることとしました。好天に恵まれ、一連の作業を民家内及び庭先で実施できたので、講座風景が古民家にとけ込み、受講者のみならず一般の見学者からも好評を博しました。
 漉き終えた和紙は乾燥させた後の11日(金)、毎日のくらしの中で和紙を身近で使おうということで、和紙に文字やイラストを描き込みランチョンマットを製作しました。


(浦和くらしの博物民家園:田口)

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第41回見沼塾からのレポート

[8月3日(木)]2006

〜藍染め(生葉染め)スカーフつくり〜


[手作業で染色液に漬け込みます]

 [やっとスカーフの仕上がりを
見ることができました]

 当館の畑で栽培した藍の生葉を使い、絹のスカーフを染めるという藍の生葉染の体験講座を実施しました。
 この染め方は、古代から用いられており、化学薬品等を使わずに染色するため、人と環境にやさしいのが特徴です。
 まず、スカーフをビニール紐を使って絞りました。受講生が仕上がり具合を想像しながら、おもいおもいの形や大きさに絞っていきました。
 次に、スカーフを水に浸し生地を染めやすくしました。
 その後畑に出て、藍の葉を摘みとりました。染める生地の10倍ほどの藍の葉が必要になるので、およそ340gの葉を摘み取りました。炎天下での作業なので受講生は汗をかきかき、スカーフをよい色に染めるため一生懸命に葉を摘み取っている姿が印象的でした。
 摘み取った葉をミキサーにかけて布袋に入れこし、藍の染色液を作りました。この染色液の中にスカーフを入れ、この段階では染色液は濃い緑色です。スカーフを10分ほど浸けこんでから取り出し、空気によくさらし、十分酸化をさせた後水洗いすると、鮮やかな青色に染め上がりました。
 受講生はその色の変化に驚き、興味深く眺め、喜んで作品を持ち帰りました。
 暑さ厳しい中での講座でしたが、その分、仕上がったスカーフに愛着もひとしおのようでした。

(浦和くらしの博物館民家園:溝上)

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第40回見沼塾からのレポート

[7月29日(土)]2006

〜カブトムシとクワガタ作り〜


[小刀と苦闘しながら作業中]

[努力の結晶、完成です]

 曇りがちだが、朝から蒸し暑い日だった。少しでも木陰にと、旧坂東家住宅見沼くらしっく館の庭の柿の木の下にシートを広げ、そこで「カブトムシとクワガタ作り」が始まった。
 今回のカブトムシとクワガタは、クロモジの木で胴の部分を作る。クロモジは、上等な楊枝の材料とされる木で、さわやかな良い香りがする。直径2.5cmほどの太さのクロモジの木を5〜6cmの長さに切り、半割りにしたものが2個配られた。
 ひとつは枝が出ている部分があり、こちらがカブトムシだ。まず、小刀でカドを削り落とし、昆虫の形に整える。小刀の扱いに慣れないためか、木が少し堅いためか、早くもけが人続出!バンドエイドが大活躍!!次に皮目に彫刻刀で翅と頭の区切り線を彫る。カブトムシは出ている枝を小さい角の形に整え、大きい角はキリやドリルで穴を開けて二股になっている楓の枝をはめ込んで作る。
 クワガタの顎は竹の枝だ。やはり穴を開けてはめ込む。顎の微妙なカーブは、バーナーであぶって曲げる。足も竹の枝だ。細かくて結構根気の要る作業で、親子のはずが、いつの間にか親だけがやっている人も。いかに角や足に似た枝を選ぶかがポイントで、出来上がった作品には、ひとつとして同じものはない。みんな満足して持ち帰った。

(旧坂東家住宅見沼くらしっく館:山口)

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第39回見沼塾からのレポート

[7月15日(土)]2006

〜見沼のホタル〜


[ホタルを見ながら講義を受けます]

 [パワーポイントによる講義]

 講師の福本美敬氏は、「見沼ホタル保存会」の会長で、見沼地域でのホタルの再生を目的とした活動を積極的に行っています。
 講座内容は、ホタルの生態・ホタルの種類、保存や飼育法、ホタル保存会の活動についてなどです。
参加者は13名で、唯一人、小学生の参加がありました。生物や昆虫などに興味があるらしく、福本氏の話をノートに一生懸命書き込んでいました。
 講義は、パワーポイントを駆使し、写真やイラストを多用し、大人から子供まで理解できる内容で、福本氏の「見沼のホタル」復活の熱意が感じられました。ホタルに関するクイズも出題され、最後に成虫のホタルを全員で観察、実物のホタルを見る機会は少ないので、皆さん、真剣にかつ楽しくホタルのことを学ぶことができました。
 自然環境が変化している昨今、ホタルが見沼田んぼの環境や、その保存について考えるきっかけになったのではないでしょうか?
 また、ホタルは、「見沼のホタル」など民話にも登場しています。ホタルについての知識を得た後、昔話を読むとまた違う感想を持つかもしれません。

(浦和くらしの博物館民家園:渡辺)

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第36回見沼塾からのレポート

[5月4、5日(祝)]2006

〜紙芝居・民話を楽しもう〜

 
[昔懐かしい雰囲気のなか、
話はすすみます]

 見沼塾が行われた5月4・5日は、毎年、近隣の公園で、農産物即売会などのイベントもあり、多くの人が民家園を訪れます。本年も、天気に恵まれ、絶好の散策日和となりました。
 民家園では、2日間、昔の遊び道具を用意し、自由に遊んでもらえるコーナーを設けました。コマ、お手玉、たが回し、缶ぽっくり等に人気がありました。
 4日は、「紙こばこ」のみなさんによる紙芝居を行いました。第1回目公演を13時30分から1時間、第2回目を14時30分から1時間行い、各々48人・32人が受講されました。「紙こばこ」は、市内の公民館や公園などで活動している手作りの紙芝居サークルです。演目は幅広く、「はなさかじじい」「きつねとごんろく」などの昔話や、「のばら」「あかずきん」「ねないこだあれ」といった童話など様々で、間には手品などもはさみながら、大人も子どもも、とても楽しむことができる紙芝居でした。

 5日は、午後1時と午後2時からの2回、民話の語りを旧野口家住宅で行いました。語るのは土田、田中先生のお二人です。第1回は32人、第2回は37人の受講者が集まりました。見沼地域の歴史を簡単に説明した後、見沼の龍にまつわる話など地域にかかわりの深い民話から、「いたちの子守唄」等の日本の昔話を披露しました。年配の方から、小さなお子さんまで、民家で聞く民話の語りを楽しみました。

(浦和くらしの博物館民家園:渡辺・溝上)

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第35回見沼塾からのレポート

[2月18日(土)]2006

〜味噌作り〜

 
[ダンゴにしてから樽へ投げ入れます]

 11月中に、講師の守屋勝代さんの畑から大豆10.5㎏強を収穫し、あらかじめよく乾燥させておきました。煮炊きする大釜の掃除を前々日16日に行い、大豆を洗って丸一日水に浸しました。前日17日の午前中は大豆の煮炊き。沸騰した湯で炊くこと6時間。丸く小さく乾いた黄色い大豆は、水を吸って元の枝豆サイズに戻っていました。
天候良く、見学者も集まり、14時の開始時には60名ほどが旧坂東家住宅中庭で説明を聞きました。柔らかくなった大豆を臼でつく作業、塩と麹を混ぜてこね、空気を抜くために樽へ強く投げ入れる作業を見学者の方にも手伝っていただき、16・17年度仕込んだ味噌の試食を行ないました。

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第34回見沼塾からのレポート

[12月11日(日)]2005

〜しめ縄作り〜

 
[しめ縄作り初めの準備、ワラ打ちの様子]

 暮れも押し詰まった12月11日の午後、「しめ縄作り」の講座を行いました。
 しめ縄には、形によって「前垂れしめ」「大根じめ」「ごぼうじめ」などがありますが、今回は神棚に張る私たちにとって、最も身近な「ごぼうじめ」を作りました。
 今回は、ワラ打ちの準備から始まり、2時間の講座で仕上げる内容でした。
 当日、講師の桑野先生は、午前中から下準備にかかり、受講生の皆さんをお待ちしていました。ワラで縄を作る縄綯いは、初心者には時間がかかるので、あらかじめ人数分を用意したのですが、先生の縄を綯う速さはとても早く、あっという間に20本近い縄ができました。

 現在、住宅事情の変化で、しめ縄を飾る家は少なくなっているようですが、年配の方から、お子さんまで、幅広い方々の参加がありました。ワラをはじめて触る人も中にはいたようです。3本のワラ束の根本を、一つに縛り、ワラ束をまわしながら巻いていく作業は、二人一組で行いました。頭でわかってはいても、なかなかうまくまわせなかったりしましたが、皆さん満足のいくものが作れたようです。
 しめ縄は、量販店などでも購入できますが、自分で作ったものは、また違う意味があると思います。民家園の今年を締めくくる楽しい講座となりました。

(浦和くらしの博物館民家園:渡辺房子)

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第33回見沼塾からのレポート

[12月10日(土)]2005

〜しめ縄作り〜


[仕上げの作業。もうすぐ完成です!]

 見沼塾「しめ縄作り」は、12月とも思えないような暖かな日差しのもと、楽しい雰囲気の中で行われました。親子や見沼たんぼくらぶ会員など20名の参加者は、手を真っ赤にし、時には悪戦苦闘しながら「しめ縄作り」に挑戦しました。
 まず、館長のあいさつの中で「しめ縄」の解説があり、その後、講師の方から作り方の説明が行われました。
 作り方は、参加者がワラを一束ずつ持ち、それを三等分してすぐっていきます。短いもの、ささくれたものを落としていくこの作業は、出来栄えに直結する大変重要な作業です。三等分したワラをそれぞれ縒っていきます。次は出来上がった三本の縄を合わせて巻き込みます。この作業は1人ではむずかしいということで、2人一組のペアになってもらい、時計回りに捻り込んで癖をつけ、それを合わせて編んでいきます。巻き方が逆になると編めないので、周りの方々のしめ縄を見ながら作業を行いました。最後に「しめ縄」につける弊紙の作り方も講師から指導を受けました。初めて体験する人がほとんどで、時折、参加者から講師に助けを呼ぶ声があるなど、旧坂東家住宅の中庭は大変にぎやかでした。

 材料のワラは、本来しめ縄用に植え、青田刈りして使用しますが、当館が今年使用したワラは、さいたま市西区宮前町在住の方からいただいたもち米のワラです。バイパスの際では、夜通し照明塔の光があたり、穂を着けても中は空っぽです。その稲を青田刈りしてもらい、のろし台で乾燥させて使用しました。餅米のワラは、色が良く、柔らかさを持ちつつ、強く捻り込んでも千切れない強さを持っているそうです。
 緑色がまだらに残るワラで作った「しめ縄」は、芳香を放っています。参加者は、大きさや出来栄えは違えども自作した「しめ縄」を、満足そうに抱えて持ち帰りました。ご一家の繁栄や家族の健康を見守ってくれることでしょう。

(旧坂東家住宅見沼くらしっく館:山口)


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