11月11日、水彩画家の八木一郎先生を講師に迎え、見沼塾「見沼スケッチ」が旧坂東家住宅見沼くらしっく館で開催された。
当日は雨が降ったりやんだりのあいにくの空模様。好天であれば当館東側に広がる加田屋新田の秋を描きに出かけたいところであるが、雨が心配なためほとんどの参加者が当館敷地内でスケッチに取り掛かった。
雨空の下、庭の柿の実の赤が目立っていて、井戸場の屋根の下や旧坂東家住宅の軒下、土間の中などから柿の木をモチーフにした風景を描く人が多かった。
10名ほどの初心者の方は、基本的な技法、特に遠近法についての説明を聞いてから描き始めたが、紙の上に正確に奥行を表現していくことはなかなか難しいようで、先生の指導を受けながら苦心して描いていた。
囲炉裏端や座敷などでそれぞれ昼食をとった後、午後は彩色に入る。色を付けていく順番や、一つのものを複数の色で彩色する技法などを、先生から実際に絵筆を取って教えて頂いた。
午後2時になり、それぞれの作品を旧坂東家住宅の廊下に並べ、先生に作品一つひとつに対しての感想を述べて頂くという形で講評を行い、予定通り午後3時に終了した。参加者は皆、雨の中苦労して作品を完成させていたが、それだけにまた新たな水彩画の魅力を発見したようである。
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